『アカメ』幻の巨大魚アカメの釣り方紹介と実際に釣った経験談

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四国と九州の一部に生息する日本三大怪魚のアカメ。

その巨体は130cmを超え、体重は30kgにもなります。

その希少さから、釣るのは運任せな所もありますが、今回は幻の巨大魚アカメを釣った経験談から釣り方をご紹介します。

※写真はじっさいに釣り上げた113センチのアカメ。ファイト中は体が震えるほど興奮しました。

目次

幻の巨大魚アカメとは?

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アカメは、北海道のイトウや琵琶湖のビワコオオナマズと並び、日本三大怪魚と称される巨大魚です。

スズキ目アカメ科に属するアカメは、日本の固有種でボラやコノシロなどを好物とするフィッシュイーター、魚の他にもカニやエビなども捕食する超肉食魚。

分布エリアは意外と広く、南は種子島・北は静岡くらいまでの生息が確認されていますが、その数は極めて少なく、釣りの対象として成立するほど生息数がいるのは高知県と宮崎県のみです。

ただ、宮崎県ではアカメ保護の為、捕獲を禁じられているので、実際アカメを狙った釣りが出来るのは高知県だけとなっています。

暗闇で目が赤く光ることからアカメと呼ばれていますが、その姿は本当にかっこよく、なんとも言えません。

アカメが狙えるフィールド

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『高知県浦戸湾』

高知市内の浦戸湾内にアカメは生息しています。

その数は年々増えているという説もあるみたいですが、まだまだ数は少なく、一週間アカメを狙い続けてもなんの反応もないまま帰ることになるなんてのはよくある話です。

ですが、アカメが狙える貴重なフィールドです。

『高知県浦戸湾に注ぐ河川』

アカメは川にもグングンのぼります。

浦戸湾には、国分川・下田川・鏡川・久万川・舟入川と5つの川が流入しています。

その川もアカメを狙える絶好のフィールド。

ただ、この河川は岸沿いに杭が多いため、根掛かりなどを十分に気を付ける必要があります。

『四万十川』

言わずとしれたアカメ釣りのフィールド。

アニメ「釣りキチ三平」でも登場していましたが、四万十の清流にアカメは潜んでいます。

その攻略はかなり難しいとされていますが、アカメを狙える貴重なフィールドです。

『浦ノ内湾』

最近では、高知県浦ノ内湾での釣果も多くなっています。

特に浦ノ内湾内のイカダにアカメが付いてるいるとかいないとか。

アカメを釣るポイント

『ストラクチャー周り』

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アカメは基本的にストラクチャーに付く魚です。

そのポイントはまるでブラックバスやシーバスを狙うポイントと似ており、消波ブロック周りや橋脚、アシ周り・明暗の境目など、何か変化がある場所はしっかりとチェックしましょう。

『川の合流地点』

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出典:カラパイヤ

川の合流地点はアカメが付く要素が多くあるポイントです。

馬の瀬やその周りのシャローなどにはベイトが集まり、そのベイトをアカメが追い込みやすい場所です。
必ずチェックしましょう。

『ベイトのたまり場』

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出典:PhotoHITO

いろんなポイントがありますが、やはりベイトが溜まる場所が最大のポイントです。

逆に言うと、ベイトがいれば、こんなところにアカメもいるの?
というくらいです。

ベイトが溜まる場所はしっかりとチェックしておきましょう。

アカメのヒット率をアップさせる3つの要因

『ベイトの有無』

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出典:PhotoHITO

アカメ釣りはベイトの存在がすべてと言っても過言ではありません。

特にメインのベイトとなるボラ。

このボラが居るか居ないかによって釣果も大きく変わるので、まずはボラが溜まっているような場所を探すことが重要です。

『水の濁り具合』

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出典:アクアピア 水槽のある暮らし

アカメは水が濁り過ぎていても、澄みすぎていても良くないと言われています。

少し雨が降ったようなささ濁りが良しとされています。

実際、雨が少し振ったささ濁りの状況では、シーバスを始めアカメのボイルを見たりと魚の活性が高いことが多いです。

少し濁っているくらいがチャンスです。

『流れと潮の関係』

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アカメはシーバスと違い、流れがガンガンに効いていなくてもヒットします。

干潮前・満潮前の潮が少し緩んだような状況が良いため、チャンスタイムを逃さないようにするのがアカメに近づくカギとなります。

アカメの攻略法

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釣りをしていると流れにのってボラが回遊している姿を見かけますが、もしそこにアカメが潜んでいればボラは急な方向転換をしたり、少しざわついたり、逃げ惑ったりします。

もし、ボラがそんな行動を取ればボラが逃げる先にルアーをキャストし、ルアーが動く範囲でゆっくりとリトリーブしてきます。

アカメにじっくりとルアーを見せて、しっかりと手前までルアーを巻いてくるようにしましょう。

アカメはルアーのピックアップ寸前に食いついてくることもあるので、最後まで気を抜いてはいけません。

アカメ釣りのシーズン

『夏がハイシーズン』

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アカメは夏の魚です。
冬場でも釣れないことはないみたいですが、通常でも釣れない魚がさらに釣れにくくなるので、冬にアカメを狙うのは非常に厳しいです。

アカメを狙って釣れる時期はだいたい5月頃くらいからであり、8月頃にハイシーズンを迎え、晩秋にシーズンオフとなります。
夏の暑い中、アカメとの我慢比べになります。

アカメ釣りの実際に使用したタックル

アカメ釣りのタックルに正解はありません。

大型青物用のショアジギングタックルを使用する人も居れば、一般的なシーバスタックルでする人も居ます。

シンプルに考えると、自分の投げたいルアーを投げれて、アカメをキャッチできるところまでイメージが出来るタックルであれば良いです。

実際私はブラックバス用のビッグベイトタックルを代用しています。

『ロッド』

「バンタム1711H-SB」

ブラックバス用のビッグベイトロッドです。
投げるルアーが20gから50gくらいであり、そのルアーを投げれて、尚且つ操作性が高く、小河川などの小場所でも使いやすく、バットにパワーがあるロッドというとこのロッドになりました。

『リール』

「カルカッタコンクエストDC200」

ロッドに合わせてリールもブラックバス用のビッグベイトを投げるように購入したものを使っています。
カルカッタコンクエストはボディの合成も申し分なく、巻きのフィーリングも良いですし、飛距離もでます。
実際にアカメ釣り場で出会う人も良く使っているのを見かけるリールです。

『ライン』

「タナトル3号」

ラインはPEの3号をリールに巻ける分だけ巻いています。
私は何メートル程飛んでいるかなどの確認をしやすい様にラインマーカーが付いて居るラインを使用しています。

『リーダー』

「フロロカーボン60lb」

リーダーは絶対に付ける必要があります。
太さは、タックルに合わせて使い分けをするべきですが、私はルアーが動くギリギリの太さのリーダーを使用しています。

アカメ釣りの注意点

【タックルの強化が必要】

アカメのパワーは想像以上であり、やわなタックルではすぐに壊されてしまします。

ロッドやリールに強い物を使うのはもちろんですが、その他にも気を付けないといけない箇所があります。

せっかく掛けたアカメを逃がさないように、貴重なアカメにフックやルアーを残さないようにタックルの強化を行いましょう。

「フック」

まずはフックです。

例えばシーバス用ルアーで市販されている物をパッケージから開けてそのまま使うと、高確率で針を伸ばされてバレてしまうでしょう。

アカメの首振りはとても強力であり、その一瞬にフックへ掛かる負荷は相当なものです。

アカメの首振りやツッコミに耐えれるようにフックは太軸へ変更するのがおすすめです。

「スナップ」

ラインとルアーを繋ぐスナップも強力なものを使用します。

私はスナップに強力なスプリットリングを使用しています。

普段シーバスやバスで使っているようなスナップですとすぐに伸ばされてしまいます。

「スプリットリング」

ルアーとフックを繋ぐスプリットリングの強化も必要です。

そんなところまで強化する必要があるの?と思う方も居るかもしれませんが、このスプリットリングを伸ばされてバレてしまったという事を何人かの人から聞いたことがあります。

他の箇所を強化しても、他に強化していないところがあればそこから壊れていきますので、強化する場合は抜かりなく行うのが良いです。

アカメ釣りの実際に使用したルアー

『ジョインテッドクロー178』

言わずと知れた名ルアーのジョインテッドクローはアカメ釣りでも威力を発揮します。
実際私もこの『ジョインテッドクロー178』でアカメを釣り上げました。
タダ巻きのS字アクションも有効ですが、高速巻きからのストップという高速ストップ&ゴーも有効であり、釣り上げた際は、高速で巻いてストップさせた瞬間に食いついてきました。
アカメ釣りにおいて外せない一軍ルアーです。

『エアオグルSLM』

アカメ狙いでは定番中の定番ルアー。
アカメの大好物であるワタリガニがふわふわと泳いでいるイメージでリフト&フォールを繰り返す使い方が一般的です。
実際にアカメ狙いの釣り場で出会った人たちから聞いた中では、一番ヒットさせているルアーがこれではないかと思います。

『K-TEN』

このルアーもアカメ狙いでは定番ルアー。
ミノーですが飛距離も出ますし、ゆっくり巻いても大きなアクションで動いてくれます。
実は私がアカメを始めて掛けたルアーでもあり、最後はばらしてキャッチまでは至りませんでしたが、信頼のおけるルアーです。
釣り場に着いたらまずはサーチとして投げる事が多い定番ミノーです。

アカメの蘇生とリリースについて

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アカメはヒットすると全力で抵抗するため、釣りあげた時には疲労困憊の状況であがってきます。

その為、取り込んだ後は、貴重なアカメに元気よく海へ帰ってもらうため、写真撮影やサイズ計測は速やかに行いましょう。

なお、アカメを陸へ上げる時は、アカメの魚体にかかる負担を出来るだけ減らせるように、ビニールシートなどを敷いて、濡らしておくようにします。

魚体が乾かないように断続的に水をかけて上がるようにしましょう。

写真撮影やサイズ計測が終われば、水の中にやさしく戻し、顎を掴んで口を開けてアカメの魚体を前後させ、5分でも10分でも20分でも30分でもアカメが自分で体を起こして泳げるようになるまで蘇生活動を行います。

アカメが電気になり、力強く自分で泳ごうとする状態になれば、頭を広い方へ向かせてそっと送り出してあげます。

この確実なリリースを終えて、やっとアカメ釣りは成立します。
貴重なアカメを釣らせてもらう以上、元気よく海へ帰ってもらえるように努めましょう。

アカメを釣った経験談

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では、最後に私が実際に113センチのアカメを釣った経験談をします。

『真夏の深夜1時頃』

その日は3泊4日で高知遠征にいった最後の夜でした。

それまでずっとアカメを狙い、ルアーをキャストし続けていましたが、なんの反応もなく、最後の夜も深夜1時になり、心が折れかけていた時、目の前にいた大きなボラの群れがザワザワし始めました。

『50センチのボラがまるでイワシの様に追いかけられる』

ザワザワし始めたと思うと、ザザザーっと水面を逃げ惑うようになり、その姿はまるでイワシが青物などに追われてボイルしている様子にそっくり。

ですが、追われているのは50センチほどの大きなボラです。

あまりのスケールの大きさに「こんなでかいボラを追いかけ回す奴は一体どれだけデカイんだ‥」という恐怖すら覚えました。

『凄まじいボイルが1時間以上続く』

恐怖を覚えたボイルは1時間以上続きました。

目の前の海で「ドーンッ」「ドーンッ」というアカメの吸い込みボイルの音。

逃げ惑う50センチのボラの群れ。

そのボイルの大きさは左右約100mほどでした。

『ボイルに投げ続けるもヒットしない』

目の前でボイルをしているが、全然ヒットしない。

投げても投げてもルアーを食ってくれない…

ボラの数が多く、また、50センチのボラに対して、自分の投げているルアーは20センチにも満たないくらい。

もはやアカメに気付かれてすらないんじゃないかと思いながら、キャストを続けました。

『工夫をして、やっと食わせた!』

自分のルアーがボラに埋もれていてる!そう思った私は、ボラを散らすようにルアーを高速で巻いては止める、巻いては止めるを繰り返して、ルアーでボラをびっくりさせてボラを散らす作戦に出ました。

すると、ルアーを止めた時に、「ドーンッ」というボイル音と共に、持っていた竿が引ったくられました。

やっとヒットです。

『味わったことのない引き』

ヒットしてからと言うものの、今まで味わった事のないトルクフルな引きに、「とんでもない奴をかけてしまった」と思いました。

ラインを切られないように、尚且つ引き寄せて来れるようにアカメとのファイトを存分に楽しんだと思います。

この時、私の足は興奮と恐怖で足が震えていた事をはっきり覚えています。

『約20分のファイトの末、キャッチ』

ヒットしてから、巻いてきては出されて、巻いてきては出されてを繰り返し、障害物などに巻かれないように慎重にやりとりをして、約20分ほどの格闘の末、アカメの口をフィッシュグリップで掴む事が出来ました。

『体が震えたファイトだった。』

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今思い出すと、人生で1番興奮した時間だったかもしれません。

何度も高知県へ通い、何度もボウズで帰り、今度こそは、今度こそはと思いを馳せた憧れの魚「アカメ」を掛けた時、足は震えて、キャッチした時は脱力して、アカメの魚体に見惚れていました。

ロマンが溢れる魚、それが、「アカメ」です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました

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