陸からは遠い沖の海上にありながら、陸続きの堤防と同じ足場の良い環境で様々な魚を狙う事が出来るのが沖堤防です。
基本的に四方は海で囲まれている為、沖堤防のどの場所も釣りに適したポイント。
大物釣りから小物釣り、サイズや数どれでも期待できるフィールドです。
沖堤防とは?
沖堤防とは、漁港や都市港湾部を外洋からの高波などから守る為に、沖の海上に作られた防波堤の事を言います。
沖の海上に作られている為、陸からはいけない場所です。
日本には、大小多くの沖堤防があり、長い物では1㎞を超える沖堤防まであります。
あくまでも釣りの為に作られたのではなく、波から漁港や港湾部を守る為に作られたものであります。
沖堤防にはどのようにしていくのか?
『渡船を使おう!』
では、陸続きではない、海上の防波堤にはどのようにしていけばいいのでしょうか。
その手段は、渡船です。
例えば、私が住んでいる関西地方の有名な沖堤防に、武庫川一文字・和田坊・岸和田一文字と呼ばれる沖堤防がありますが、その沖堤防には、それぞれ近い港から渡船が多く出ています。
もし、自分の住んでいる近くに沖堤防がるのかを知りたければ、「○○市 沖堤防 渡船」などと調べれば必ず出てくるので、HPを見るなり、電話で問い合わせてみるなりしてみましょう。
なお、基本的に渡船代は2000円~3500円ほど(渡船屋さんによる)と高い訳ではなく、乗船時間も20分前後(場所による)と気軽に行けるので、そこまで敷居の高い場所ではありません。
沖堤防が釣れる理由
沖堤防は、陸続きの堤防より釣れると言われています。
実際に沖堤防の方が釣れる確率が高いのは事実ですが、それは大きく分けて3つの理由があります。
『釣り人が少ない』
まず、一つに釣り人が少ないという事があげられます。
釣り人が少なければ、自由に釣りをする事も出来ますし、場が荒れていない為、魚の反応も良く釣れやすいです。
陸続きの堤防や漁港は誰でも行くことができますが、沖堤防であればお金を払って、船に乗っていく必要があります。
その為、都市部に近い堤防や漁港が人でいっぱいの時も、沖堤防は比較的すいているということもしばしば。
釣り人が少ないのは釣りをするうえで大きなメリットです。
※青物が大量に回って来た等の情報が出れば沖堤防でもいっぱいになる場合があります。
『沖の海上にあるので魚影が濃い』
沖堤防は、字の通り、沖にある堤防です。
沖という事は、水深も深く魚のストックや回遊も豊富にあります。
陸続きの堤防付近はどうしても水深が浅かったり、魚が回遊してきにくい形状であったりしますが、沖堤防は違います。
大海原にドンと堤防があるので、魚の回遊はもちろん、回遊して来た魚たちが堤防のきわに着いたりするので魚影の濃さは抜群です。
『潮通しの良さが最高』
海で釣りをする上で、よく耳にする言葉が「潮通し」です。
魚は基本的に潮にのって移動したり、潮の動く時間に捕食したりと、潮の動きによって魚の行動は左右されます。
その為、全然潮が動かないような場所より、潮が良く動く場所の方が魚の回遊も多く、魚の活性も高くなります。
このことから、釣りのポイントは潮通しが良い場所が良いとされています。
陸続きの防波堤であれば、沖に突き出した先端部分の潮通しが良いため、釣り人は堤防の先端を取り合いますが、沖堤防は、そのすべての場所が潮通しが良いんです。
もちろん、沖堤防の形は場所によっては例外もありますが、陸続きの堤防に比べると潮通しの良さは各段に違うので魚が良く釣れるとされています。
沖堤防で狙うべきポイント
『堤防のきわ』
沖堤防に渡っても、まず確認すべきポイントは堤防のきわです。
陸続きの堤防では、堤防の先端が潮通しが良く、有利なポイントでしたが、沖堤防は海上にある為、どの場所でも潮通しの良さは一級品の為、どこからでも好釣果が期待できます。
『堤防と堤防の継ぎ目』
長い沖堤防は、1本の堤防でではなく、いくつもの短い堤防が継ぎ合わさって長い堤防になっています。
そして、その堤防の継ぎ目は少しの隙間が空いています。
そんな隙間には、エビやカニなどの小動物が住み着いており、それを食べにくる魚が多く集まります。
また、その隙間自体に身を隠す魚も多くいます。
沖堤防を歩きながら、堤防の継ぎ目を見つけたら必ず狙うようにしたいポイントです。
『消波ブロック』
沖堤防でも、消波ブロックが積まれている所は少なくありません。
消波ブロックと言えば、様々な生物の棲み処や隠れ処となっており、もちろん色んな魚も消波ブロック周辺に着いています。
安全に十分気を付けながら探ってみましょう。
特に根魚やチヌ・シーバスなどの魚は消波ブロック付近が大好きです。
『潮目』
潮目は、異なる流れ同士がぶつかっている場所。
その潮目には、小魚のエサとなるプランクトンが多いため、イワシやアジなどの小魚が集まります。
そして、その小魚を追って大型も集まってくるので、目に見えるストラクチャーが少ない沖堤防では外せないポイントです。
沖堤防で釣れる主な魚
『チヌ』
沖堤防では大人気の魚。
堤防の壁きわには多くのチヌが生息しています。
『シーバス』
シーバスも沖堤防では人気の魚。
陸続きの堤防では釣るのが難しい冬の時期でも、沖堤防では釣果が期待できます。
『青物』
沖堤防でのスーパースターと言えばブリなどの青物です。
引きが強く食べても美味しいため、青物の釣果が良くなる時期は沖堤防でも人がいっぱいになるくらい。
もし、周りで青物が釣れたら他にもいる可能性があるので、狙ってみたい魚です。
『ヒラメ』
沖堤防からアジの泳がせなどでヒラメが狙えます。
底が砂地であればヒラメの他、マゴチなどの高級魚の釣果も期待できます。
『根魚』
沖堤防でも根魚はよく遊んでくれるターゲットの1種です。
堤防の継ぎ目や壁きわなど、丁寧に探れば思わぬ大物がキャッチできることも!
沖堤防に行く時の注意点とアドバイス
『安全に対する準備は万端で行く』
沖堤防は、想像以上に足場が高く、もし落水した場合でも堤防へ上がる為の階段がなかったり、落ちた場所から遠かったりします。
その為、万が一の際のライフジャケットは必須です。
堤防で足場が良いと言えども、海は危険なので必ず安全に対する準備は万端で行くようにしましょう。
『トイレは基本ありません』
沖堤防最大の弱点、それがトイレです。
沖堤防には残念ながらトイレはありません。
決して釣り人の為に作られたものではありませんので、トイレは無くて当然です。
渡船は定期的に沖堤防に送り迎えをしにきますが、その間トイレがしたくなっても我慢するか、隠れてするかしかありません。
理想は、渡船で渡る前に済ませて、渡船で迎えに来てもらった時に済ませるのがいいですが、体は言う事を聞いてくれない時もあります。
非常用のトイレを持って行くなど工夫して、決して沖堤防を汚さないようにしましょう。
『色々な魚に対応できる仕掛けも持って行く』
今日はチヌ狙い・シーバス狙い等、狙う魚を決めていくのもいいですが、沖堤防には色んな魚が居る為、特に狙いを絞らずに五目釣り狙いでいくのも面白いです。
急に青物が回って来たり、隣の人がヒラメを釣ったりと思いがけない対象魚が来たりするので、荷物は少ない方が良いですが、仕掛けは多く持って行った方がより楽しめます。
沖堤防は魚のパラダイス!
沖堤防は、様々な魚種が釣れて魚影も濃く、身近に行ける魚のパラダイスです。
船に乗って沖へ出るというと敷居が高く感じるかもしれませんが、意外と初心者の方も多くいます。
安全に対する準備と釣りの準備、そしてトイレのマナーを守って沖堤防に行ってみましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました